住宅の基礎形式

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基礎の構造

建築基準法施行令38条では以下のように書いてあります;

建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、 かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。

さらに、建設省告示第1347号では、建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件として

地盤の長期に生ずる力に対する 許容応力度 (改良された地盤にあっては、改良後の許容応力度とする。以下同じ。) が

20kN/m2未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造と、

20kN/m2以上30kN/m2未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造又はべた基礎と、

30kN/m2以上の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造、べた基礎又は布基礎としなければならない。

とあり、大体はこの値をもって木造住宅の基礎形式を選ぶ基準になります。

べた基礎

今の住宅で多いべた基礎とはどのようなものでしょう。

同じく告示で次のように定められています。

立上り部分の高さは地上部分で30cm以上と、立上り部分の厚さは12cm以上と、 基礎の底盤の厚さは12cm以上とすること。

立上り部分の主筋として径12mm以上の異形鉄筋を、 立上り部分の上端及び立上り部分の下部の底盤にそれぞれ1本以上配置し、かつ、 補強筋と緊結したものとすること。

立上り部分の補強筋として径9mm以上の鉄筋を30cm以下の間隔で縦に配置したものとすること。

底盤の補強筋として径9mm以上の鉄筋を縦横に30cm以下の間隔で配置したものとすること。

換気口を設ける場合は、その周辺に径9mm以上の補強筋を配置すること

とあります。

布基礎

布基礎についても規定されています。

根入れの深さにあっては24cm以上と、 底盤の厚さにあっては15cm以上としなければならない。

底盤の幅は、地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度及び建築物の種類に応じて、 大体30cmから45cm以上の数値とすることとされています。

底盤に補強筋として径9mm以上の鉄筋を30cm以下の間隔で配置し、 底盤の両端部に配置した径9mm以上の鉄筋と緊結することとされています。

いずれも最低限の基準ですので、安全をみて適切な補強をおこなうことが大切です。

住宅の地盤補強

brown rock

国土交通省告示第1113号

国土交通省告示第1113号におきましては、以下のように定められています。

基礎の底部から下方2m以内の距離にある地盤に、スウェーデン式サウンデイングの荷重が 1kN以下で自沈する層が存在する場合

若しくは基礎の底部から下方2mを超え5m以内の距離にある 地盤に、スウェーデン式サウンデイングの荷重が500N以下で自沈する層が存在する場合

にあっては、 建築物の自重による沈下その他の地盤の変形等を考慮して建築物又は建築物の部分に有害な損傷、 変形及び沈下が生じないことを確かめなければならない。

この告示の規定によれば、建築物の部分に有害な損傷、 変形及び沈下が生じないことを確かめなければならない。とあるのみで必ずしも地盤補強が必要であるとは書いてないのです。

でも一応SWS試験における上記の値が地盤補強が必要であるかそうでないかの判断の基準であるようです。

地盤調査

略してSWS試験は、スウェーデン式サウンディング試験のことで、木造住宅の地盤調査では一番ポピュラーとなっている方法です。スクリューウエイト貫入試験とも呼びます。

やり方としては、ロッドにスクリューポイントとクランプ、ハンドルを取り付け、それを地面に垂直に突き立てます。

この道具に重りを1枚ずつ静かに載せていき、ロッドが沈み込むかどうかを観察して記録します。重りの種類は0.05・0.15・0.25・0.5・0.75・1.00kNと段階があります。

重さの合計が1.00kNになりましたときに、ロッドの沈み込みがなく静止しているのであればハンドルを回転させ、25cm貫入させるのに何回転させたかを記録します。

ハンドルを回転させずに重りの重さだけで貫入する場合、自沈するといいます。

測定地点

SWS試験は基本的には敷地の4隅と中央の5ヶ所を測定地点とし、深度10mまで記録します。

またスクリューポイントが硬い層に達し、貫入量に対して相当数の半回転数以上となる場合や、巨石などの上で空転するようになったときは測定を終了します。

業者によって多少違いはありますが基本的にはJIS規格に定められた内容に則って行います。