消防法の無窓階

white wooden framed glass window near body of water

普通階

消防法施行令、施行規則には無窓階について書いてあります。

これによりますと、

10 階以下の階の場合、直径1m以上の円が内接できる開口部、幅75cm 以上高さが 120cm 以上の開口部、大型開口が2つ以上あること。

かつ、それらの開口部の有効開口面積の合計が、当該階の床面積の 30 分の 1 を超えていること。

が普通階とありますので、これ以外が無窓階ということになります。

つまり大型開口が一つしかない、有効開口面積の合計が1/30以下だと無窓階として判定します。

11階以上

11 階以上の階ですと、直径 50cm 以上の円が内接 できる開口部の有効開口面積の合計が、当該階の床面積の 30 分の 1 を超えていればよいということになります。

床面からの高さ

床面から開口部の下端までの高さは、どちらも1.2m以内であることとされております。

通路幅

開口部は、道路又は道路に通ずる幅員1m以上の通路、その他の空地に面したものであることとされておりますが、11 階以上の階の場合は除きます。

有効な開口部

開口部は、内部から容易に避難できるとともに、外部からも容易に進入できるものであること。とされており、「避難上又は消火活動上有効な開口部の判断基準」に細かい規定があります。

そこでは、開口部の形状等による有効開口部算定及び有効開口面積についてや、容易に破壊することができるガラスの種別、等諸々を規定しています。

ガラスの種類

錠もそうですがガラスは特に有効な開口かどうかの判定の基準に関わってまいります。

これによりますと、

普通板ガラス、フロート板ガラス、型板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射ガラスは厚さ6.0 ㎜以下、強化ガラス、超耐熱結晶化ガラスは厚さ5.0 ㎜以下とされております。

複層ガラスについては、上記ガラスの組合せであれば、容易に破壊することができるガラスと同等として取扱うものとされております。

Low-E 膜付きガラスにつきましては、上記ガラスに金属又は酸化金属で構成された薄膜を施した低放射ガラスということになり、可となります。窓ガラス用フィルム上記のガラスに貼付したものも同様に可となります。

網入り板ガラス、線入り板ガラス、合わせガラス、倍強度ガラス等については、容易に破壊することができるガラスとしては認められないものとする。とされていますので、注意が必要です。

宮城県のがけ条例

cliff overlooking mountain during daytime

宮城県建築基準条例

宮城県建築基準条例第5条は「がけ条例」というもので崖付近の建築物について次のように定めています。

高さが二メートルを超える崖(地表面が水平面に対し三十度を超える角度をなす土地をいう。以下同じ。)の下端からの水平距離が、崖の高さの二倍以内の土地の区域(第三条第一項第一号の区域を除く。)に居室を有する建築物を建築する場合においては、安全上支障がない擁壁又は擁壁の類を設けなければならない。

ただし書き

この条文にはただし書きがあります。

ただし、次の各号のいずれかに該当する場合においては、この限りでない。

一 崖の形状又は土質により崖崩れのおそれがない場合
二 崖又は崖の上に建築物を建築する場合において、当該建築物が崖崩れに対して安全であり、かつ、崖の安全性に影響を及ぼさない場合
三 崖の下に建築物を建築する場合において、当該建築物の構造耐力上主要な部分(崖崩れによる被害を受けるおそれのない部分を除く。)が鉄筋コンクリート造若しくはこれに類する構造であり、又は当該建築物が崖から相当の距離に位置し、若しくは崖との間に崖崩れに対して有効な防護壁があり、崖崩れに対して安全である場合

排水施設

また排水施設についても定めています。
崖に又は崖に近接して建築物を建築する場合においては、地表水等を有効に排出することができる排水施設を設ける等崖への流水及び浸水を防止するための適当な措置を講じなければならない。

解説ページ

これだけではわかりにくい「がけ条例」の詳しい内容は宮城県公式ホームページに記載されている。

いわゆる『がけ条例』と呼ばれる,宮城県建築基準条例第5条についての解説です。

これは目を通していただくことで粗方の疑問は解けるので、ぜひご覧ください。

現場で隣地が2mより高低差がありそうなところ、隣地境界までの距離が敷地高低差の2倍なさそうなところは要注意です。

斜面が30度を超えていて「がけ」になる可能性があります。この範囲を避けて建物を配置するようにしたいところです。

 

区分所有権

brown and white wooden house near green trees during daytime

分譲マンション

建物の区分所有等に関する法律におきましては、マンション等建物の区分所有に関して次のように定めています。

第一条 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

同じマンションでも賃貸には所有権がありませんから区分所有権はありません。これに対して分譲マンションを購入しますと区分所有権があります。

借りるか買うかで所有権が違ってくるのは一戸建てと同じですが、マンションは一軒家とは基本的に構造が違いますので、このような法律によっていろいろ規定する必要があるのでしょう。

定義

第二条 この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう

共用部分は共同住宅に代表される共用階段や共用廊下、バルコニー、エントランス、エレベーターなどです。

3 この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう

専有部分は建物の壁や床で囲まれた各住戸のことです。

4 この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。

敷地権

マンションでは敷地に対する権利も庭付きの一戸建てと異なります。

5 この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。

第五条第一項の敷地とは規約による敷地のことで、次のように書かれています。

第五条 区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。

この規約というものも、マンションという共同生活の形体のなかで必須のものとして定められているのでしょう。

6 この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。

一戸建ての場合当然敷地全部を所有することと思います。しかしマンションですと敷地利用権というかたちで区分所有者が権利を有することになります。

いろいろと一戸建てと異なりますがざっと以上のような区分所有権というものになります。