建築物防災週間は、年に2回(春と秋)に実施されます。期間中は、建築物の安全性を確保するための取り組みが集中的に行われます。
国土交通省より各特定行政庁に対し、定期報告書が未提出の建築物を中心に、防災査察の実施が求められています。これは現地における建築物の状況確認と必要な指導を目的としています。
※定期報告の対象外であっても、査察の対象となる場合があります。
査察は、消防や警察、福祉部局などと連携して行われるため、過去に指導を受けた建物は特に対象となる可能性があります。
こちらは違反建築物を発見し、是正へと導くことを目的とした取り組みです。
繰り返し指導しても是正が行われない場合、行政代執行や刑事告発といった措置が取られることもあります。
違反が認定された場合、「法適合状況調査」を行い、12条5項報告書として提出を求められることがあります。
この調査には膨大な資料と検討が必要で、特に確認申請がなされていない建築物に対しては調査そのものが困難であることも。
※ただし、上記は「確認済証があるが検査済証がない」または「既存不適格」のケースが対象です。「確認申請すら行われていない建築物」はさらに対応が難しく、調査自体が非常にイレギュラーなものとなります。
違反が認められた場合には、是正計画書の提出と、その完了後の是正完了検査が求められます。是正内容には以下が含まれます:
行政は勧告、命令、そして最終的には強制措置(行政代執行など)を行う権限を有しています。
このような厳格な指導の背景には、「建築行政マネジメント計画」の存在があります。全国の自治体が策定し、違反防止や是正強化に取り組んでいます。
参考:宮城県のマネジメント計画
宮城県建築行政マネジメント計画 – 宮城県公式ウェブサイト
法は守るべき前提であり、取り締まりの厳しさによって守るものではありません。
違反建築物の報告書は、増改築や用途変更の申請時だけでなく、是正措置の一環として求められることもあります。
調査の結果、法適合が極端に難しく、「不適合状況報告書」となる場合もあり、その際は改修か解体しか選択肢が残されません。
仮に改修計画を立てたとしても、
など、大きな負担となるケースが少なくありません。
既存不適格と違反建築物はまったく異なる概念です。「法を守ること」が大前提であることを、建築主や事業主の皆様にも改めてご理解いただきたいと思います。