建築基準法施行令では、建築物に作用する荷重および外力として以下の5つが定められています。
今回はこの中でも、特に計算がややこしい「風圧力」について、実務の観点から整理してみます。
風圧力は、「速度圧に風力係数を乗じて計算する」こととされており、速度圧は次の式で計算されます。
q = 0.6・E・V02
※宮城県の基準風速V0は 30m/s です。
告示第1454号では上記Eの数値、基準風速Vo、風力係数Cfについて定めており、最終的な風荷重Pは以下の式で計算します。
P = C・q・A
Eは以下の式で求められます。
E = Er2・Gf
Er は以下の条件で変わります。
*H 建築物の高さと軒の高さとの平均
区分 | Zb | ZG | α | Gf(H=10以下〜40m以上:~は直線的に補間) |
---|---|---|---|---|
I(障害物なし) | 5 | 250 | 0.1 | 2.0〜1.8 |
II(海岸近傍など) | 5 | 350 | 0.15 | 2.2〜2.0 |
III(一般地域) | 5 | 450 | 0.2 | 2.5〜2.1 |
IV(都市部) | 10 | 550 | 0.27 | 3.1〜2.3 |
風力係数Cfは、外圧係数Cpeと内圧係数Cpiの差で求められます。
Cf = Cpe – Cpi
以下の図と表は、建物形状別に用いるべき係数を示しています。
図表中に出てくる記号の意味や、風向(→)を表す記号などについても以下の図にまとめられています。
ここまで見てきたように、風圧力は建築物の形状や立地、周囲の状況によって細かく条件が分かれています。
告示第1454号を確認しながら、パラメータを順番に拾っていけば、実務上の計算もぐっとわかりやすくなります。
荷重・外力の中でもとりわけ複雑な「風圧力」の基本について、今回は整理してみました。