「二地域居住」とは、都市と地方の2つの地域に生活拠点を持ち、それぞれの地域で暮らす新しいライフスタイルのことです。参考:国土交通省 二地域居住の推進の手引き
法律上は「特定居住」と呼ばれ、正式名称「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律」(通称:広域的地域活性化法)に基づいて整備・支援されます。
新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが普及し、「働く場所に縛られない生き方」が現実的な選択肢になりました。これに伴い、UIJターンやワーケーションといった多拠点型のライフスタイルが全国で注目を集めています。
法律上では「特定居住拠点施設」と呼ばれます。
これは、二地域居住を促進するための生活・就業・交流の拠点となる施設のこと。
整備にあたっては、「広域的特定活動」(二地域居住の促進活動)を行うことが求められます。
移住を検討する人のために自治体が用意する「体験住宅」。
数日から数ヶ月滞在し、地域の気候や暮らしを体験できます。
家具・家電付きの古民家や空き家を活用した事例が多く、移住後のミスマッチを防ぐ目的で整備されています。
複数人で居住空間を共有する形態。
個室+共用リビング・キッチン、バスルームなどが一般的で、地域内の交流促進にも役立ちます。
管理会社による運営が多く、地域外からの短期滞在者にも対応しやすいのが特徴です。
全国を転々としながら暮らす「多拠点居住型」の新形態。
代表的なサービスには以下のようなものがあります。
ADDress(アドレス):全国のシェアハウス住み放題
HafH(ハフ):国内外の宿泊施設を定額で利用
Xross house(クロスハウス):首都圏中心のシェアハウス運営
観光地や自然豊かな場所に滞在しながら仕事を行う新しい働き方。
Wi-Fiや会議スペースを備え、温泉・宿泊施設を併設する例も増えています。
個人やフリーランスが利用できる共有オフィス。
仕事に集中できる環境を確保しつつ、地域住民や他業種との交流の場にもなります。
1日単位や時間単位の利用が可能で、柔軟な働き方に対応しています。
企業や個人が共用のオフィス空間を利用する形態。
法人登記や個室ブースが可能な場合も多く、コワーキングよりも事業拠点としての機能が強いです。
企業本社から離れた場所に設置される小規模オフィス。
地方の雇用創出・テレワーク推進に貢献し、二地域居住者の「仕事の場」として活用されます。
住民が世代や分野を超えて集う「地域の居場所」。
自治会活動やイベントを支援し、地域コミュニティの維持に寄与します。
飲食を楽しみながら人が集まる「たまり場」。
イベント・講座・地域活動の場としても利用され、孤立防止やまちづくりの拠点となります。
宮城県では、「広域的地域活性化法」に基づく計画の中で、二地域居住を支える施設整備を進めています。
県内各市町村が、お試し居住施設・コワーキングスペース・地域交流拠点などを整備し、移住定住や地域関係人口の増加を目指しています。
(参考:宮城県公式ホームページ「広域的地域活性化基盤整備計画(二地域居住)について」)
二地域居住拠点施設は、単なる「別荘」や「オフィス」ではなく、
「住まい・なりわい・コミュニティ」を三位一体で支える地域基盤です。
都市と地方をつなぐ新しい暮らし方の実験場として、今後も多様な形で広がっていくでしょう。