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【建築基準法改正2025】木造住宅リフォームに確認申請が必要?

「うちもそろそろ屋根のリフォームかな…?」
そんな時にちょっと気をつけたいのが、2025年の建築基準法改正。
これまで必要なかった建築確認申請が、今後は必要になる場合も出てきます。
この記事では、木造住宅のリフォームと確認申請の関係について、簡単にまとめました。

2025年(令和7年)4月1日より、建築基準法の改正が全面施行されます。これに伴い、戸建て住宅の大規模修繕・大規模模様替えに対しても、建築確認が必要になるケースが出てきます。

木造二階建て住宅のこれまでの扱い

これまで日本の住宅で一般的な「木造2階建て」については、10㎡以上の増築がない限り、大規模修繕や大規模模様替えでも建築確認は不要とされてきました。

そのため、いわゆる“リフォーム”は申請なしで行われることが多かったのです。

今後はリフォームでも確認が必要な可能性あり

改正後は、リフォーム計画時にも「これは建築確認が必要か?」を検討する必要があります。
特に屋根や外壁の改修においては、対象範囲や方法によって手続きが大きく異なってきます。

確認不要とする技術的助言(抜粋)

以下は、国土交通省からの技術的助言の抜粋です。(国 住 指 第 3 5 5 号
令 和 6 年 2 月 8 日 )

1.屋根の改修
屋根ふき材のみの改修を行う行為は、法第2条第 14 号に規定する大規模の修繕及び同
条第 15 号に規定する大規模の模様替には該当しないものと取り扱って差支えない。
また、既存の屋根の上に新しい屋根をかぶせるようないわゆるカバー工法による改修
は、法第2条第 14 号に規定する大規模の修繕及び同条第 15 号に規定する大規模の模様
替には該当しないものと取り扱って差支えない。

2.外壁の改修
外壁の外装材のみの改修等を行う行為、又は外壁の内側から断熱改修等を行う行為は、
法第2条第 14 号に規定する大規模の修繕及び同条第 15 号に規定する大規模の模様替に
該当しないものと取り扱って差支えない。ただし外壁の外装材のみの改修等を行う
行為であったとしても、当該行為が外壁の全てを改修することに該当する場合は、この
限りでない。
既存の外壁に新しい仕上材をかぶせるような工法による改修等を行う行為は、法第2
条第 14 号に規定する大規模の修繕及び同条第 15 号に規定する大規模の模様替には該当
しないものと取り扱って差支えない。

大規模修繕・大規模模様替えとは?

建築基準法上の定義では、

  • 主要構造部の1種以上について、過半の修繕または模様替えを行うこと

とされています。「過半」とは、たとえば屋根なら屋根面積の半分以上、外壁なら外壁面積の半分以上を指します。

主要構造部には、屋根・外壁のほかに階段・床なども含まれます。
リフォーム内容がこれに該当するかどうかで、確認申請の要否や費用も大きく変わってきます。

迷ったら、必ず確認を

確認申請が必要かどうか迷うケースでは、特定行政庁や建築審査機関へ事前相談することをおすすめします。

設計・施工の立場からも、法令対応によるリスク回避と、施主との適正な説明責任のために、早めの確認が重要です。