建築と暮らしの交差点 / 法律と現場のあいだで、ちょうどよく。

三連休と、二院制と、アメリカ大統領の話

暑い日にこそ読みたい、二院制とアメリカ政治の話

三連休の最終日。天気にも恵まれて、観光地は久しぶりの賑わいだったようです。ちょうど参議院選挙も終わり、期日前投票を済ませてお出かけになった方も多いのではないでしょうか。

今回は「参議院? 衆議院? なにが違うの?」という素朴な疑問から始まり、古代の政治制度からアメリカの政党・大統領の流れまでを、ざっくりとご紹介したいと思います。

議会はなぜ2つある? 〜衆議院と参議院のちがい〜

日本の国会は「衆議院」と「参議院」の二つで構成されています。これは「二院制」と呼ばれる仕組みで、同じ法案を2つの視点からチェックできるようになっています。

  • 衆議院:任期4年(解散あり)。スピード感のある判断が求められる場。
  • 参議院:任期6年(解散なし)。冷静に検討し直す役割を持ちます。

ひとつの案に対して2つの立場から検討する、政治のダブルチェック機能です。

なぜ2つに分けるのか?

  • チェック機能の強化:偏った判断にならないよう、別の立場から見直す仕組み。
  • 多様な意見の反映:異なる選び方・任期の議員が、それぞれの立場で議論。
  • 制度の輸入と歴史背景:戦後、日本はアメリカ型の制度を参考に導入。

海外の議会制度と政治構造

古代ローマ

「元老院」と「民会」の二重構造で、エリート層と市民の意見を取り入れていました。

古代ギリシャ(アテネ)

市民(成人男性のみ)による直接民主制。現代とは異なり、女性や奴隷には参政権がありませんでした。

アメリカ合衆国

  • 上院(Senate):各州2名ずつ。州の平等を重視。
  • 下院(House of Representatives):人口比例。民意の反映重視。

政党は二大政党制:

  • 共和党:保守系。小さな政府、伝統重視。
  • 民主党:リベラル系。福祉、人権、環境重視。

映画『スター・ウォーズ』の銀河共和国も、元老院という議会を持つ二院制的な仕組みを採用していました。「制度がうまく機能しないとどうなるか?」を描いた一つの寓話とも言えるかもしれません。

アメリカ大統領と政党:ざっくり年表

2025年現在、アメリカの大統領はドナルド・トランプ氏(共和党)です。

大統領 任期 政党
バイデン 2021–2025 民主党
トランプ 2017–2021 / 2025– 共和党
オバマ 2009–2017 民主党
W.ブッシュ 2001–2009 共和党
クリントン 1993–2001 民主党
H.W.ブッシュ 1989–1993 共和党
レーガン 1981–1989 共和党
カーター 1977–1981 民主党
ケネディ 1961–1963 民主党
アイゼンハワー 1953–1961 共和党
トルーマン 1945–1953 民主党
F.D.ルーズベルト 1933–1945 民主党
リンカーン 1861–1865 共和党

※1865〜1933年は共和党が優勢な時代でした。

共和党だらけ時代:リンカーン以後のざっくり振り返り

大統領 任期 政党 メモ
アンドリュー・ジョンソン 1865–1869 無所属っぽい民主系 リンカーン暗殺後の後任。議会とめっちゃケンカ。
ユリシーズ・S・グラント 1869–1877 共和党 南北戦争の英雄。汚職まみれ内閣でも人気。
しばらく白髪おじさん期 1877–1901 ほぼ共和党 なんか似たような名前の白髪おじさんが連続。
ウィリアム・マッキンリー 1897–1901 共和党 ハワイ併合、米西戦争。途中で暗殺。
セオドア・ルーズベルト 1901–1909 共和党(進歩派) FDRのいとこ。自然保護ガチ勢。
ウッドロウ・ウィルソン 1913–1921 民主党 WWI参戦、「国際連盟」推進。でも国内では微妙。
ハーディング〜フーバー 1921–1933 共和党 景気上がったり下がったり、最後フーバーで大恐慌。

🧠 まとめ:
ほとんど共和党だらけの時代。
リベラルっぽい流れは、セオドア・ルーズベルト(進歩派)
ウィルソン(第一次世界大戦)くらい。
FDR(フランクリン・ルーズベルト)が登場して、
一気に民主党の時代に入っていきます(1933〜)。

おわりに

こうも暑さが続くと「気持ちの良い連休」とばかりも言ってられなくなってきました。周囲の室外機、アスファルトからの照り返し、車の排熱――温室効果ガスで外は蒸し風呂のよう。お隣の韓国では洪水が起り、昨年の山形の豪雨災害も記憶に新しいところです。

原則すべての住宅に省エネ基準が適合義務化され、手続きの複雑化から国土交通省さんには「勘弁してくださいよ」と言いたくもなる今日このごろ。国際的な目標である**SDGs(持続可能な開発目標)が示すように、社会・地域・国を超えて連携し、異常気象・気候変動対策に取り組んでいく必要があるのでしょう。

未来のためにできることを、少しずつ、確実に積み重ねていきたいと感じるこの頃です。