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【建築士の雑誌選び】日経アーキテクチュア vs 建築知識|プロが選ぶ実務向きの一冊とは?

【建築士の雑誌選び】「日経アーキテクチュア」か「建築知識」か?筆者はこう考える

建築士として日々の情報収集は欠かせません。その手段のひとつが「建築専門誌」の購読です。中でも有名なのが、「日経アーキテクチュア」「建築知識」の2誌。

本記事では、それぞれの雑誌の特徴や出版社の違い、筆者自身の選び方についてお話しします。


1. 結論から言えば──私は「建築知識」を選んでいます

理由はいくつかありますが、実務や設計・法規に直結した情報が多く、日々の仕事に役立つからです。

また、エクスナレッジが出版している他の書籍も質が高く、過去に「図解建築法規シリーズ」や「ディテール集」など、さまざまな書籍を購入してきました。図版が多く、設計実務に使えるものが多い印象です。

ただし私は現在、定期購読はしていません。なぜなら、興味のないテーマの号まで届いてしまうから。中には保管の必要性を感じない号もあるため、内容を確認してから買う派です。

とはいえ、毎年11月頃の「法規特集号」だけは必ず購入します。付録として付いてくる「建築知識手帳」は、建築士にとって簡易法令集のような存在で、実務にとても重宝しています。


2. 「日経アーキテクチュア」と「建築知識」──それぞれの特徴

比較項目 日経アーキテクチュア 建築知識
内容の方向性 建築業界の動向、ニュース、政策など 設計実務、法規、構造、意匠に特化
読者層 大手ゼネコン・行政・経営層 設計者・若手建築士・現場監理者
特集テーマの傾向 再開発、災害対応、建設DXなど 建築法規、意匠設計、建築史など
誌面の構成 文字中心でレポート的 図解・ビジュアルが豊富
定期購読の利点 業界情報をもれなく収集できる 実務に役立つ知識を定期的に得られる

3. 出版社の違いとそれぞれの特徴

◆ 日経BP(「日経アーキテクチュア」の出版社)

  • 親会社:日本経済新聞社
  • 傾向:ビジネス情報、公共事業、テクノロジーに強い
  • 他の出版物:「日経コンストラクション」「日経ホームビルダー」など
  • 印象:経営寄り、政策寄りの視点が目立つ

◆ エクスナレッジ(「建築知識」の出版社)

  • 独立系出版社:建築・デザイン・不動産に特化
  • 代表的な出版物:「図解建築法規シリーズ」「名建築解剖図鑑」「建築知識ビジュアル版」
  • 特徴:ビジュアル重視、設計実務に直結、保存価値のある資料が多い

4. まとめ:雑誌選びは「何を得たいか」による

最終的には、それぞれの職能や情報ニーズによって選ぶ雑誌は変わります。

  • 業界動向を幅広く追いたいなら →「日経アーキテクチュア」
  • 設計実務に役立つ内容を得たいなら →「建築知識」

私は現在、「建築知識」のテーマに合わせて必要な号だけを都度購入しています。とくに11月号の「建築知識手帳」付きは毎年の定番購入です。


おわりに──あなたはどちら派?

建築専門誌との付き合い方は人それぞれ。私は「建築知識」に重きを置いていますが、「日経アーキテクチュア」も時に役立つ存在です。

日々の情報収集も、雑誌の読み比べも、建築という知の世界を探る旅のひとつ。あなたに合った一冊が見つかりますように。