建築の契約を行ううえで、「この人は本当に建築士なのか?」「この事務所は正式な登録業者なのか?」を確認できる公式システムがあります。それが 建築士名簿 と 建築士事務所登録簿 の閲覧システムです。
建築士の資格(個人)と、設計事務所としての登録(会社・個人事業)の二つを確認でき、誰でも利用できます。
一級・二級・木造建築士について、建築士法施行規則第3条に定められた項目が閲覧できます。
なお、建築士の「生年月日」「性別」は、プライバシーへの配慮を図るため、2025年(令和7年)4月1日以降、閲覧項目から削除されました。
検索できる内容
氏名
登録番号・登録年月日
処分履歴
名前(カナ)や登録番号で検索できます。
設計・監理で報酬を受け取るには、建築士資格だけでなく 「建築士事務所登録」 が必要です。
事務所名・住所・管理建築士などが登録されているのが「建築士事務所登録簿」です。
検索できる内容
事務所名
登録番号・有効期限
開設者名
管理建築士
所在地
行政処分歴
全国検索システムが整備されており、比較的調べやすい仕組みです。
これから設計契約を結ぶ時
名刺の資格表示を確認したい時
過去の行政処分歴を調べたい時
初めて依頼する事務所の信用を確認したい時
建築は専門性が高く契約も長期に及ぶため、事前に正規の資格・登録を確認するのが安心です。
ここからは、事務所側(建築士事務所)が使う 「建築士事務所登録受付システム」 の説明です。
先ほどの「閲覧システム」が“確認用”だったのに対し、こちらは 申請・届出を行う側のオンライン窓口 です。
対象:建築士事務所の開設者、管理建築士、行政書士(代理)など
オンラインでできる手続き
新規登録
更新(5年ごと)
変更届(住所・代表者・管理建築士など)
廃業届
年次業務報告書の提出
窓口へ行かず、事務所からすべて送信できます。
来庁不要:窓口に行く手間を大幅削減
24時間送信可能:営業時間外でも申請OK
ペーパーレス:PDFアップロードで書類保管が楽に
申請内容の控えが自動で保管:紛失リスクが減る
特に業務報告書は毎年必要なので、オンライン化による負担軽減は大きいです。
メールアドレスなどを登録。
更新や変更届の場合、「現況登録情報反映依頼」を行うと、今の登録データが自動入力されて便利。
※反映には数日かかるため、期限ギリギリは危険。
必要書類一式をPDFでアップロード。
銀行振込など(都道府県により異なる)。
審査完了メールが届き、申請書控えや登録通知書をダウンロードできます。
都道府県の選択
本システムは全都道府県共通の仕様ですが、宮城県で建築士事務所登録を行う場合は、
利用者登録の際に必ず宮城県を選択してください。
操作マニュアルは必読
画面遷移に癖があるため、各協会のPDFマニュアル推奨。
行政書士による代理申請は別設定が必要
委任状のアップロードが求められます。
閲覧システム
→ 施主・一般向け。「資格・登録が本物か」を確認する仕組み。
登録受付システム
→ 事務所側向け。「申請・更新・変更届・業務報告書」をオンラインで提出する仕組み。
建築に関わる双方にとって、透明性と業務効率を高めるための重要なツールになっています。ブログ記事としても、建築を依頼する方・設計事務所の双方に役立つ情報として活用できます。
建築士名簿・事務所登録簿のインターネット閲覧について/国交省